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[ 2024/12/04 08:01 | ]
最後の崖
落描きを見返せばエロばかりで己に絶望した、そんな連休前。

拙い文章、第2弾です。イメージは藤井さんの曲「Final Valley」より。
Final Valley 藤井フミヤ 歌詞情報 - goo 音楽
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「じゃあ、アンタは何を望んでるわけ?」

南郷を壁に追い詰め、アカギは強い口調で問う。

「アンタも俺を好きだと言った」
「……い、言った……けど」
「けど……何?今更それが「友情」だとか言わないよね」

アカギに追い詰められた南郷は、ゴクリと喉を鳴らす。
もちろん、そんなつもりはない。アカギを好きだという気持ちは、いわゆる恋愛感情だろう。
そして、アカギも南郷と同じ気持で好きだという。だから―――

「だから、何も問題はない。そうだろ?」
「………っ!!」

アカギの顔が急激に近寄り、熱い瞳が怯えた南郷を見つめる。
南郷はその瞳に魅せられたように、視線を逸らすことができない。

「で、でも俺たち……男同士だろ?だからそんな……」
「この状況でそれを言うわけ?」
「だから、好き…だけじゃ、駄目なのか…?」
「ああ、駄目だね」

心許ない瞳、後ずさる体。
だが想いが同じなら、絶対に逃しはしない。

「好きになったら欲しくなるのが当然だろう?」
「……う」
「俺はアンタが好きだ。だから、アンタが欲しい……心も体も」

その言葉に、南郷の心臓が激しく高鳴る。
真剣な目、真剣な言葉。アカギは本気なのだ。
男同士だということなど、彼には何の関係もない。好きなものは手に入れるのみ。

「こ、こんなオッサンに欲情……するのか」
「ああ、してる」

さらに近づいてくる、アカギの顔。
南郷が反射的に目をつぶった瞬間、ひやりとした唇が南郷の唇に重なる。

「―――っ」

壊れてしまいそうなほど、激しく脈打つ心臓。触れた唇から体中に広がる、ジンとした甘い痺れ。
ああ…そうだ、自分だってアカギをこんなに求めている。
だけど、どうしても飛び越える勇気が出ない、常識や恐怖という最後の崖。

「南郷さん、自分を捨てちゃいなよ……あの晩のように」

唇を離し、アカギが囁く。


同じ想いなら、一蓮托生。
断崖絶壁など飛び越えて、共にその先の極楽浄土へ―――。


END
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[ 2010/07/16 22:47 | 妄想 ]



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